20-30

26


【ロボットと僕は、】

早く正確に計算を解ける頭
ひんやりとした手の冷たさ
ひきつる不器用な笑顔

僕を真似して造ったのに
なに一つ僕と重なり合わない




27


【異性】

そんな昔からでも 最近からでもない
けど私は男の子になりたかった

あの思いっきり何処までも走れる足
誰かを守れるようなひろい肩
私を惑わせた低い声さえも
そう思わせるのは貴方が男の子だからなのでしょうか




28


【世界をにぎる左手】

新しい時代が来たなんて
カッコイイ台詞は脱ぎ捨てて
自分の指を動かして 世界を少し変えてみよう




29


植物たちは
一番大きくなろうと
鶴や葉をのばしたり、相手を利用したりする

そして人間もまた
一番に儲けようと
汚い手を使ってでも上にいこうとする

二つには共通点がたくさんあるけど
何故植物たちはうつくしくみえるのだろう


【ビューティフルという罪】

それはたぶん(自分とはちがう生き物だからさ)




30


【死ぬほど。】

ここから出たい。

人々が口をそろえて自由だと言っているこの場所から。

私たちが勝手につくった楽園という地獄から。